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看護師にも守秘義務がある?違反時の処分や注意点も分かりやすく解説します
医療従事者には、患者様の個人情報に関する守秘義務が存在します。医師はもちろん、看護師も守秘義務を守らなければなりません。
今回は看護師における守秘義務の重要性や違反時の処分内容、どのようにして守秘義務を守るべきかについても解説いたします。
■看護師の守秘義務について
「保健師助産師看護師法第42条の2」に基づき、看護師の守秘義務が定められています。
看護師として働いている期間中はもちろん、何らかの理由で転職・退職した後も、元職場で「業務上知り得た人の秘密」には引き続き守秘義務が課せられます。
また、患者様の死亡後も守秘義務は残り続け、事例検討の際も個人を特定できないように配慮し、患者様ご本人の同意が必要です。もし違反することがあれば、刑事責任を問われたり、患者様からの訴えで民事裁判に発展したりする可能性もあります。
■なぜ看護師にも守秘義務が存在するのか?
医師や看護師は適切な治療を提供するために、患者様から個人情報を取得しなければなりません。信頼関係があるからこそ、患者様は病院に対して個人情報を提供します。安心して病院を利用するために、医療従事者である看護師にも守秘義務が課せられているのです。
氏名や住所、生年月日、家族構成、これまでの病歴や現在の健康状態、病名といった身体的・社会的・経済的情報など、これらはすべて個人情報に該当し、病院は患者様に関する数多くの個人情報を扱う場所であることが分かります。
■看護師が守秘義務を違反した場合の処分とは?
正当な理由なく守秘義務を違反した場合は、保健師助産師看護師法第44条の4により「6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する」と明記されています。
過去には看護師の守秘義務違反が原因で病院が訴えられ、数百万円の慰謝料請求が認められた判例も存在します。
また、厚生労働大臣は違反した看護師に対して、戒告・業務停止・免許の取消しといった処分が可能です。雇用主である病院からは懲戒処分が下される可能性もあり、守秘義務違反の責任は非常に大きいといえます。
■守秘義務を守るために大切なこと
患者様の個人情報が記載されている診療記録(カルテ)やデータは、不特定多数の目に触れる場所に放置せず、決して自宅に持ち帰ることのないように徹底した管理が重要です。
また、近年ではSNSの普及に伴う「倫理的課題」にも注意が必要です。
医院・クリニックの中には、看護師を含めるスタッフたちにブログやSNSの更新を任せている場合もあると思います。
文章や写真を気軽に投稿できる故、その内容に個人情報に該当するという自覚がないことも多く、個人情報の漏洩や守秘義務違反につながってしまうのです。
患者様の病状や個人情報を含む会話、職業や家族構成、写真や動画などは、すべて個人情報に該当します。
ブログやSNSは「不特定多数に向けて発信している」という自覚を持ち、投稿前は個人情報に該当する内容が含まれているかどうかについて、慎重な見直しが大切です。
■まとめ
患者様の個人情報を保護し、信頼を大切にするためにも、守秘義務の遵守が大切です。守秘義務違反は個人のみならず、医院・クリニック全体の信頼を失う原因になります。
しかし、対処方法やスタッフへの教育などは、医院・クリニック内だけで対策しきれない場合も多いことでしょう。
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