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医師国保とは?協会けんぽとの違いを含めてメリット・デメリットを徹底解説

ある程度の規模の病院に勤務している場合、ほとんどの医師は健康保険として「協会けんぽ」に加入していると思います。しかし、個人の医師が診療所・クリニックを開業すると、協会けんぽだけではなく、市町村の国民健康保険や医師国民健康保険組合(医師国保)に加入する選択肢が生まれます。そして、多くの方が医師国保に加入している状況です。その理由について、今回は国保、医師国保、協会けんぽの違いとともにわかりやすくお伝えいたします。

 

■医師国保とは

美容院・飲食店などの自営業は、従業員数が5人未満だと社会保険の加入義務がありません。そのため多くの自営業者が事業者の保険料負担がない国民健康保険に加入します。その流れは医院・クリニック・診療所も同様ですが、医師の場合は通常の国保だけではなく、地区もしくは大学医師会を通じて医師国保に加入することが可能です。対象は医師会に所属する医師と家族、従業員も含みます。

また、自営業者が法人になると社会保険に加入することになりますが、あらかじめ医師国保に加入していた医院の場合は特別な手続きを踏めば、引き続き医師国保に加入し続けることが可能です。

 

■医師国保のメリット・デメリット

医師国保にはさまざまなメリット・デメリットがあるので詳しく見ていきましょう。

 

  • メリット

1:給料に左右されない保険料

国民健康保険は収入に応じて保険料が変わりますが、医師国保の場合は収入に関係なく一定です。

そのため、国保に加入するケースに比べると、多くのスタッフにとって保険料が割安になる傾向があります。特に開業したばかりの院長だと、一律の保険料は魅力的です。

 

2:扶養家族がいない場合は保険料が安い

医師国保は扶養家族の人数が増えると保険料が増加します。つまり、扶養家族が少なければ保険料が割安になるのが特徴です。

 

3:保険料は全額加入者が負担する

後に説明する協会けんぽにおいては、事業者側が保険料の1/2を負担する必要があります。一方で医師国保においては、加入者が保険料を全額支払うので医院側の負担はありません。ただ、これは事業者にとってのメリットであり、働くスタッフにとってはデメリットになりえます。

 

  • デメリット

1:保険料の負担が重くなる可能性がある

医師国保は収入によって保険料が変わりません。そのため給料が高い場合は問題ありませんが、逆に給料が安い場合は保険料が割高になる可能性があります。しかも医師国保に加入する場合は家族全員が国保などから移行しなければなりません。つまり、扶養家族が増えれば増えるほど保険料の負担が大きくなります。

 

2:原則的にスタッフが全額保険料を負担

協会けんぽと異なり、加入者全員が全額保険料を負担するのが医師国保です。院長に大きなメリットはありますが、スタッフには恩恵が感じられないことがあります。ただ、そのような状況を考慮し、協会けんぽと同様に保険料の1/2を医院側が負担する医院・クリニックも存在します。

 

3:原則的に自家診療の保険請求ができない

医院のスタッフが自身の勤め先で受診する行為を自家診療と呼びます。医師国保の場合、原則的に自家診療だと医院側が診療費を請求できません。そのため、院長から別の医院で診療を受けることを打診されるケースがあります。

※薬代のみを請求できたり、緊急時には対応したりと各都道府県によって判断が分かれます。

 

4:社会保険のような各種給付金がないケースもある

医師国保の内容は市町村によって異なります。基本的には国保と同じ扱いなので、傷病手当金が出なかったり、出産手当金が出なかったりするケースがあります。ただ、これらの状況は年々解決してきている状況です。

 

■協会けんぽとは?

国保・医師国保が自営業向けだとしたら、「協会けんぽ」はより会社向け(サラリーマン向け)の制度と言えます。医院の場合、個人診療所かつスタッフが5名未満であれば社会保険に加入する義務はありませんが、5名を超えたり、法人になったりすると原則的に社会保険に加入しなければなりません。ただし医師国保の項目でご説明した通り、個人診療所時代から医師国保に加入していると例外的に医師国保を継続することが可能です。

とはいえ、基本的にある程度の規模がある医院・クリニックの場合は、協会けんぽに加入します。

協会けんぽは、給料に応じて保険料が上がるため、収入の多い方にとってはメリットが感じられないかもしれません。一方で多くのスタッフにとってはメリットが数多くあります。

具体的には以下の通りです。

 

  • 協会けんぽのメリット

・スタッフと経営者で保険料を1/2ずつ負担(折半)

・給料が低い場合は保険料の負担が軽くなる

・国保と異なり、扶養家族の数に関係なく保険料は一律

・自家診療の保険請求が可能

・傷病手当、育休・産休中の手当など各種保証制度が充実

 

■まとめ

医師国保は収入によって保険料が変わらず、扶養家族が増えた場合には保険料の負担が大きくなります。そのため単身者にとっては有利な傾向があります。

一方で協会けんぽは、医院側にとっては社会保険料を2分の1負担するのが重荷となるものの、自家診療ができたり、各種保証制度が充実したりしています。

つまり、働くスタッフの状況に応じて、医師国保と協会けんぽのメリットとデメリットは変化するのが特徴です。当社ではそれぞれの医院の規模・経営のステージに応じて、社会保障制度や福利厚生制度の導入に関して適切なサポートを行っていきます。開業時・開業後に医師国保・協会けんぽの選択に迷われた場合はお気軽にご相談ください。

 

 

 

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