名古屋の病院経営コンサルなら『medi-tax株式会社』

0564-73-4018
(『岩月靖夫税理士事務所』内)

お問い合わせ

営業時間9:00~17:30

定休日土曜・日曜

ブログ

MS法人の本当のメリットとは?節税対策には意味がない?

医院経営がある程度軌道に乗ってくると、節税対策として、MS法人(メディカル・サービス法人)の設立をお考えになる方は多いと思います。実際に当社にも「医院の今後を見据えて、MS法人を設立したい」「MS法人が節税になると聞いたのでどのような制度か聞きたい」などのご要望が数多く寄せられます。

確かにMS法人には多くのメリットがあります。しかし、それは「節税」以外の部分が多いかもしれません。むしろ節税を目的とすると、思わぬデメリットが出てくることもあります。そこで今回は節税の観点も抑えつつ、MS法人の特徴、メリット、デメリットをまとめていきます。

 

■MS法人とは?

MS法人は医療系のサービスを事業の中核に据えた法人のことです。通常の会社と意味合いは同じで、法律上特別な制度や手続きが存在するわけではありません。その意味で医療法にもとづく医療法人とは性質が異なります。

医療法は医療行為以外で営利を得ることを禁止しています。そのため、医療法人は医療行為以外の事業を行うことができません。一方でMS法人は、通常の会社と同じように利益を追求することが可能です。利益を内部留保したり、株主に配当したりすることも自由です。

 

■MS法人の主な業務(具体例)

MS法人においては主に以下のような業務を行います。

  • レセプト請求
  • 会計・経理・給与計算
  • 消耗品や備品の販売・仕入れ・管理
  • 医療用機器等の販売・リース
  • 医療機器の維持・管理・修理
  • 病医院の不動産賃貸
  • 清掃業務
  • 警備業務
  • 人材派遣業務

  

■MS法人の注意点:節税対策が難しい場面も

「MS法人は節税対策になる」という意見をお持ちの方は、以下のような話を聞いたからかもしれません。

  • 医療経営と医業収益を分散することで法人税の節税が期待できる
  • 家族をMS法人の役員にすることで、所得税を抑える効果が期待できる
  • MS法人側に土地や建物を売却すれば、財産の分散による相続税の節税が可能

しかし、近年では節税によるメリットよりも、デメリットが上回ると指摘する方も増えています。

その理由は以下の3点です。

 

1:コストの増加

MS法人を設立すると、人件費や事務処理費などが増える傾向にあります。特に一番のデメリットとなるのが消費税です。医療機関とMS法人は取引を行うたびに、消費税がかかります。昔に比べると消費税の額は多くなっているため、現在MS法人を設立することは節税対策にならない場面が多いと言われています。

 

2:手続きの煩雑さ

MS法人を設立すると通常業務に加えて、「決算報告の届出」「資産総額の登記」「社員総会の開催」などの仕組みを整えなければなりません。また平成29年度より「関係事業者との取引の状況に関する報告書」を都道府県知事などへ提出する義務も生まれました。このようにMS法人を設立すると業務が煩雑になり、財務状況を常に把握する必要性も生じます。

 

3:税務否認リスク

MS法人に関してリスクとなるのが税務否認です。これは医院とMS法人との間の取引に関して、合理性と妥当性があるかどうかをチェックされることです。つまり、節税対策が先行しているとみなされた場合は取引自体が無効と判断されて、多額の税金が課されるケースがあります。

 

■MS法人のメリットは節税以外の観点?

節税対策だけを見た場合、MS法人に関してはどちらかといえばデメリットのほうが多くなってきました。ただ、そのような状況を考えてもMS法人を設立するメリットはあります。それは医療経営において、事業規模を大きくしたり、幅を広げたりすることができる点です。医療とそれ以外の経営を分離すれば、それぞれの業務の経営状況を正確に把握することが期待できます。結果的に銀行などからの資金調達がしやすくなり、医院経営の戦略において選択肢が増えます。

 

■まとめ

MS法人は「消費税の負担額が多い」「人件費が高騰している」などの理由で、昔に比べると節税面でのメリットは少なくなってきました。

また、設立時や運営時の手続きに関しても手間が増えています。そのためMS法人に関しては、そのようなデメリットも踏まえて慎重に検討する必要があります。「今以上に事業を大きくしたい」「より患者様が快適に診療を受けられるサポートをしたい」などの目的がはっきりしていれば、MS法人にはまだまだメリットは存在します。ぜひ、MS法人に関してお困りの点があれば当社までご相談ください。財務状況、事業内容など一つひとつの項目を丁寧に分析し、費用対効果を計算した上で最適なプランをご提示することを心がけています。

 

ご相談・お問合せはこちらまでお気軽にどうぞ

ReRise株式会社
〒460-0003
名古屋市中区錦一丁目4-19
プラウドタワー名古屋丸の内1001号
0564-73-4018 (『岩月靖夫税理士事務所』内、平日 9:00~17:30)
https://www.rerise-consul.com/